郷愁




--京都--

「署長、煉獄の件ですが・・・」
「あぁそのことかね。確かに君の言う通り志志雄以外に絡んでると見てもいいな。」
「はい、いくら財にものをいわせたとしても一個人が甲鉄艦を手に入れられるのは困難かと・・・。
志志雄と並行してそちらの方にも探りをいれるべきだと思うのですが。」
「そうだな。ではこの件に関しては君に一任しよう。代わりというのもなんだが
大火の事後処理は私がやろう。」
「すみません。」

藤田は眺めていた調書をポンと机に置くと立ち上がった。
張の尋問でうらがねを引いているものには目星がついている。
少々厄介ではあるが街へ繰り出し煉獄流出の出所を絞るためにも自ら出向こうと思ったのだ。

「となると・・・。」
煙草に火をつけ地図を広げる。
くまなく目で街道を追うとしばらくして藤田はつぶやいた。
「ここら辺か・・・。」
こうして再び彼はつぶやくとそばに立てかけた愛刀と手にとり、新たな疑惑を探るべく歩きだした。